あの曲を作った男

「Rock and Roll Part 2」という曲がある。NBAの試合会場で最も多く使われる曲の一つ。足踏みするようなビートとうねるようなロック・ギター。曲の盛り上がりに合わせて観客が “Hey!” と叫ぶあの曲だ。ホームチームが第4Qに追いつき、追い越し、タイムアウトでこの曲が流れるような時は、会場の盛り上がりは最高潮に達する。
この曲を作ったのがGary Glitterというミュージシャンであることは知っていたが、どこの国の人間なのか、いつごろ活動していたのか、くわしいことはまったく知らない。前から気になっていたので、調べてみた。

まず日本語サイトで検索した。分かったのは「かつてグラムロックのスター」で、「日本で言えばにしきのあきら」であり、「最近まで少女へのわいせつ行為により収監されていた」ということ。これ以外の事は出てこない。
You Tubeにあった演奏の様子

これだけの情報と上の動画でもおぼろげながらその人生の概観は分かったが、この際なのでもう少しくわしく調べてみることにした。
以下、英語版のWikipediaから情報を拾っていく。


ゲイリー・グリッター。本名Paul Francis Gadd。1944年、イギリス生まれ。
子供の頃から素行が悪く、10才の時には地元の警察の保護監察下にあった。
12才ですでに音楽活動を開始し、何枚かアルバムを発表するものの売れず。
長い不遇の時代を経た後、1970年ごろ折からのブームに乗り、グラムロック・ミュージシャンとしての活動を開始。そして1971年、「Rock and Roll Part 1」と上述の「Part 2」が大ヒット。そのあと数年にわたり、ヒット曲を連発。T-Rexなどと並び、グラムロックの代表的スターの一人だった。ただしその人気はイギリス国内にとどまっている。
75年前後、ブームの終焉にともない落ち目に。生活が乱れ、借金がかさんで破産までしている。
70年代末、かつてのヒット曲への再評価と、グリッターの特異なキャラクターへの注目が集まったことに後押しされ、音楽活動を再開。以後、80年代〜90年代前半にかけて大ヒット曲はないものの、ごくたまに小ヒットを出しながらライブを中心に音楽活動を続ける。そのキャラクターを活かして時々CMにも登場。にしきのあきら氏に例えられるからには、多分「はるか昔にスターだった、何か勘違いしたおっさん」というキャラでやっているのだと思う。
また時々イベントで、その時々の人気ミュージシャンと共演したりしている。おそらく「伝説のロック・スター」の一人であったには違いない。

1997年、児童ポルノ画像を所持していたことで逮捕。2ヶ月間刑務所に。
出所してからは、世界を放浪し始める。
2002年、タイにて性的暴行の罪に問われ3日間拘留。
2005年、ベトナムで少女への性的虐待容疑で逮捕。3年間収監。
2008年、出所と同時にベトナム政府から国外退去命令を受ける。イギリス当局により本国へ連行される途中で胸の痛みを訴え、香港で治療を受ける。イギリスへ帰ることを嫌がり東南アジアを中心に十数カ国に入国許可を求めたが、すべて拒否される。しぶしぶイギリスへ戻り、今に至る。
上記の犯罪歴は有罪判決を受けたもののみ。1990年代後半から、性犯罪容疑でひっきりなしに逮捕されている。


アメリカンスポーツ共通の応援歌である名曲を作ったのは、極悪人だった。
性犯罪の対象者はほとんどが、10〜14才の少女。各国で逮捕・収監されても出所直後にまた罪を犯しており、反省する気配なし。イギリスを出て東南アジアを徘徊したのは、おそらくこれらの国がイギリスに比べ治安が悪いからだろう。筋金入りの変質者・性犯罪者である。
曲は一度できてしまえば、その作者の人格を問うことは必ずしも必要ではないと思う。というか、その曲を作ったのがどんな人間か、いちいち気にはしない。
だがグリッターの場合はその行状を知り、さすがに引いた。「悪い」というよりは、気持ちが悪い。

ついでに言えば、ミュージシャンとしても大したことはない。You Tubeでグリッターの他のヒット曲をいくつか聴いたが、つまらん曲だった。この事は、T.Rex、ボウイ初期、ロキシー・ミュージックなど現代でも評価され人気の高いグラムロック・ミュージシャンが多いにもかかわらず、グリッターがその一人として認識されることがまったくと言っていいほどないことからも明らかだろう。
また、その最大のヒット曲「Rock and Roll Part 2」はボーカルのない曲であることから、ボーカリストとしての力量も知れる。本来Part2は、歌のある「Part 1」から派生した副産物だったはずである。
「Rock and Roll Part 2」は凡庸なミュージシャンが偶然生み出した名曲、という他ない。

今日は嫌なことを知ってしまった。今後NBA中継であの曲を聴くと、頭痛がするかもしれない。
[PR]
by sakichi_i | 2009-02-13 17:56 | NBAの話題を含む雑記 | Comments(5)
Commented at 2009-02-21 23:12 x
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented by sakichi_i at 2009-02-22 14:06
え!UPしてすぐ消したのに……あの短時間の間に見られちゃいましたか(笑)
実はですね、表(ひょう)を作ってみたんだけど失敗して、レイアウトが崩れてしまったんです。今修復してるとこです。
Commented by コウ at 2009-02-22 19:41 x
RSSリーダの巡回対象にしてるんで一応読めました。
俺も同じような事考えながらスタッツ眺めたこと有るんですごくきになりました。そんときは近代バスケだけを対象にみてましたけど。
俺もオラジが最高かなと。
ちなみにマジックジョンソンは比較の対象にならないぐらいのスタッツなんですかね?
Commented at 2009-02-22 21:43 x
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented by sakichi_i at 2009-02-22 21:49
ぜんぶRSSで通知が行ってるんですね(^_^;)
どうも、このブログでやるとダメみたいなんです。
結局、上の最新エントリーのようになりました。

マジックももちろんすごいんですが、同系統のロバートソンがあんまりすごいので、見劣りがするかと思ってとりあげませんでした。


<< 歴代のファンタジー最強戦士 朝日新聞文化部?の竹田さをりと... >>