広島県知事への手紙

以下のメールを、広島県知事室と「おしい!広島県」キャンペーン委員会に送付した。

前略、東京に住む広島県出身のものです。
最近広島県が、「おしい!広島県」と銘打ったキャンペーンを始めたことを、ニュースで知りました。CMのいくつかも見ました。
その主張内容について、極めて遺憾に思います。広島県人として、非常に恥ずかしい。即刻、同キャンペーンを中止してもらいたい。

個々の宣伝内容ではなく、「おしい!広島県」というキャンペーンの趣旨自体に疑問があります。

まず、果たして本当に広島は「惜しい」のか、という問題。
広島風お好み焼きの店は、東京中のいたる所にあります。キャンペーンサイトには「三陸カキの方が有名」と書いてありますが、実際に定食屋やスーパーでは広島産カキであることをアピールすることの方がはるかに多いです。
安芸の宮島は、観光名所として日本中のほとんどの人が知っています。世界最初の被爆地としてのヒロシマは、世界中の多くの人がその名を知っています。もちろん被爆自体はあってはならない惨劇でしたが、現実問題としてそのことにより広島のことは世界で知られております。
関東の球場でカープが試合をおこなう時は、カープファンが大挙して球場に押し寄せます。東京ドームは例外ですが、これはチケット入手が難しいことと、ビジター応援席が狭い範囲に区切られているという事情が影響しています。神宮ではたいていの場合、ヤクルトファンよりカープファンの方が数が多いです。
キャンペーンサイトにはまた、「レモンの生産量は日本一なのに、全国的には知られていない」と書いてあります。しかし、個々の農産物の生産高が1位の県はどこか、知られてないのが普通なんです。トマトの生産高1位がどの県か、キュウリの生産高1位がどの県か、知りません。リンゴは青森ではないか、ブドウは山梨ではないか、といったことをイメージに持っているに過ぎないし、それらの事さえ事実かどうか知りません。レモンの生産量は日本一である時点で、全然惜しくないんです。
テレビやラジオでも、広島県人の存在感は小さい方ではありません。広島出身であること、カープファンであることを隠そうとしないタレントの方々が多くいます。ほんの数年前、Perfumeの広島弁がバラエティ番組を席巻したばかりではありませんか。

僕はここで、他県を悪く言うことが本意ではありません。しかし名所のひとつ、名産のひとつも思い浮かばない県はいくらでもあります。

現状に満足しない、今よりもっと広島の産業を活性化させたい、広島への注目を集めて観光客を呼び寄せたい、という気持ちは分かります。
しかしそのために、なぜ自虐し、卑下する必要があるか。他県から求められてもいないハードルを勝手に設け、そこから逆算して「惜しい」「足りない」というネガティブな表現をする必要がどこにあるのか。
自県をアピールしたいなら、その誇るべき点を訴えればよいだけです。

広島を「惜しい」と言うことは、広島の惜しくない面、誇るべき点をもマイナス評価に引き下げる行為です。広島県民、広島県人全体をも「惜しい」レベルに引き下げることなんですよ。
僕は広島で生まれ育ち、広島県を「惜しい」県にしてきた覚えはないし、今でもそうではないと思う。

ちなみにこの事は、広島が僕の郷土だから思うだけではない。以前北陸のどこかの県、また佐賀県のアピールCMでも、自県が知られてないことを自虐的に笑うということをやっていました。僕はそれを見て、知られてないのはそれなりの物しかないからじゃないの、と思ったし、なんと卑屈な県民性かと思った。僕の中では、まったく好感度は上がらなかった。

以上の理由で、「おしい!広島県」キャンペーンの即刻中止、あるいは内容の全面的変更を求めます。

このメールに対する回答は不要です。広島県外の一広島出身者によって、県庁の決めたことが変わるとは思いませんし、もし変わらなかったとしても、今のところこれ以上のアクションを起こす気はありません。また、県からの僕に対する説明を聞いても仕方がありません。

願わくば、問い合わせ担当者さんのところでこのメールを止めず、キャンペーン発案者、責任者、できれば知事までお読みいただければ幸いです。

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by sakichi_i | 2012-03-28 14:58 | その他 | Comments(0)


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