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期待を裏切らない熱戦だった

●Detroit 88, Miami 82

シュートの1本1本、リバウンドの一つ一つが一方のチームのシーズンを終わらせてしまうという、Game7にしかない緊張を48分間持続したゲームだった。
とにかく両チームにご苦労さん、と言いたい。

【1Q】

痛み止めの注射を打って出場したドウェイン・ウェイド、やはり動きが悪い。
いつもはあまりやらないポストアップからの得点を試みるが、うまくいかない。
しかしヒートは(試合の前半は常にそうであるように)シャックにボールを集め、シャックもそれに応えて得点を重ねる。
DET21-23MIA

【2Q】

シャックが中に入るのに苦労し始め、MIAの得点が止まる。
一方DETは、このチームのオフェンスが好調の時そうであるように、粘り強くシュートチャンスを作る。
DETのクォーターで終わりかけた……が前半終了直前、エディ・ジョーンズが残り1秒でスティールしてハーフライン近辺から3ptを決める。
DET45-40MIA

【3Q】

MIA、前半終了間際の勢いを後半に持ち込む。
しかしDETも安定して得点し、点差を詰めるが追いつけない。
7分、ビラップスがダブルチームされ、フリーになったラシード・ウォレスが3pt。
「俺をフリーにすんなよ」 とマッチアップのハスレムに向かって叫ぶラシードの姿がいかす。
この言葉は後に、決定的に重要な場面でヒートに対し突きつけられることになる。

MIAが追いつきそうで追いつけず、試合はDETのペース。
しかしウェイド、試合に出た以上はやはりただでは済ませなかった。

余談。
僕はウェイドのプレイを見ると、 『キャプテン翼』 中のあるセリフを思い出す。
アルゼンチンの何とかっつー選手が、敵の大男のディフェンダーを前にしてシュートを打つ場面。
「俺の前にはいかなる壁も無いにひとしい」
とかなんとか言って、ディフェンダーを越えるループシュートを打つ。
僕はこの漫画をほとんど読んだことがないが、なぜかあのシーンだけは印象が強い。
その場面とウェイドとの関係だが、ウェイドという選手はガードを抜いてから、敵のビッグマンのブロックが届かない絶妙な距離とタイミングでシュートを打つのが抜群にうまい。

さてそのウェイド、3QはいつものFlashに戻ってこのクォーターだけで12得点、ヒートがついに逆転した。
DET64-66MIA

【4Q】

鎮痛剤が切れたか、ウェイドのプレイに陰りが見える。
しかしシャックやドゥーリングの奮闘でゲームは一進一退。
残り1分13秒、80-79でDETの1点リード、プリンスの外したシュートをティップ・インしたのはラシード・ウォレス。
このクォーター、DETが初めて3点以上のリードを奪った瞬間。
3Qに叫んだ “Don't leave me!” をハッタリでは終わらせなかった男、ラシードが格好良く見えた。

いくつかの攻防の後、DETの2点リードでMIAはファウルゲームを開始。
まだ残り時間は15秒ある。
この、極度の緊張をしいられる場面、FTラインに立ったビラップスが笑っていたのはある意味圧巻だった。
ビラップスは見た目の通り落ち着いて2本を決め、その次にまた迎えた2点差でのFTも両方とも決めた。
解説をしていたスティーブ・カーのコメント(聞き取った限りで)
「こういう時にステップアップしてFTを決められる選手がいることがどれほど大きいか。ビラップスはボールを欲しがってた」
ビラップスは派手な選手とは言い難いが、このFTの場面は凄みを感じた。

最初は西のSA-PHOシリーズに比べておもしろみに欠けると思った東決勝、終わってみれば西に全くひけをとらない激闘となったのだった。
by SAKICHI_I | 2005-06-08 03:14 | Comments(5)
Commented by ドラ at 2005-06-08 12:23 x
SAKICHI_I さんへ お疲れ様でした。試合は見れませんでしたが、SAKICHI_I さんのブログを読みながら、ウェイドを応援してしまいました。「たら」「れば」は駄目ですが、それでも言いたくなりました。ウェイドが万全なら。
Commented by teshi-hi at 2005-06-08 12:57 x
デトロイト勝ちましたね。
リーグパスに入ってないので、スポーツセンターUSAで我慢の日々だったのですが、ファイナルでようやく開放されます。
気になるのはスパーズがどんな対策をたててくるのか、ということです。
金曜が待ちどうしい。

Commented by 佐吉(SAKICHI_I) at 2005-06-08 14:47 x
>ドラさん
ウェイドは苦しそうでした。それでも20点あげたのがスターの証でしょう。第6・7戦とヒートが負けたことで、ウェイドの存在の大きさがまた明らかになりました。MIAとDETの差は本当に小さかったので、MIAにとっては不運なウェイドの怪我でした。
シャックはあらためて、LALがシャックのチームであったことを証明しました。

>teshi-hiさん
スパーズにとっては、過去最強のファイナル対戦相手ということになります。……というとニックス、ネッツに失礼かもしれませんが(笑)、これまでのようにはいかないはずです。
スケジュールを見たら、日本時間の土日にまったく試合がありません。夕方まで情報を封印するのがつらいです。
Commented by robby at 2005-06-09 19:13 x
1試合ごとの密度で言えばWESTの方が面白かったかもしれませんが
第7戦の熱戦は、これまでの6試合の全てが凝縮されたかのような展開
でしかも終始接戦だったおかげで、シリーズの最後を飾るのに相応しい
試合でした。役者の数の差でピストンズに軍配があがった気がします。
メディアの期待通りのカードではないですが、ファイナルも楽しみです。
Commented by 佐吉(SAKICHI_I) at 2005-06-09 23:57 x
>robbyさん
まったく同意です。DET-MIAはGAME7の激戦を見られただけで満足しました。途中、フリースローばかりの試合をやっていた時はどうなることかと思いました。後にシャックの岐路と言われることになるシリーズかも知れませんし、見どころは多かったと思います。
DET-SAのファイナルは地味と言えば地味ですが、ファイナル開始前に一方が圧倒的に有利と言われない対戦は久しぶりです。楽しみにしています。


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