ESPNの記事
現行の制度では、各カンファレンスの3つのディビジョン覇者が勝率の順に第1~3シードになる。 第4シード以下は、その3チームを除いて勝率順。 従って同ディビジョンにカンファレンスの最高勝率トップ2チームがいると、上から1・4シードとなる。 この場合、地区のトップ2がカンファレンスファイナルではなくセミファイナルで当たるという、あまり好ましくない事態が起こる。 そこでリーグが変更を検討しているわけだ。 なぜ今なのかというと、まさに今、西カンファレンスのサウスウエスト・ディビジョンの2チーム:マヴス、スパーズが地区の1・2位に位置しているからだ。 リーグが心配するのはもっともではある。 数年前、西カンファレンス決勝が「事実上の決勝」で、NBAファイナルは余興のようになっていたことがあった。 あれは興ざめだ。 強いチームはそれにふさわしい場で闘うことが望ましい。 だが僕が思うに、今さらあわててフォーマットの変更を検討するのは間抜けだ。 こんな事は、昨シーズン制度を改定した時に当然予想すべきだった。 ESPN Insiderで記者が書いていたのを見てなるほどと思った。 現行フォーマットで、同ディビジョンから勝率の1・2位が出る確率は4/14で28.6%。 東西カンファレンスのどちらかがそうなる確率は57%。 実は異常事態でも何でもないのである。 さらに僕が思うに、こうこう事が起きる原因は、リーグが「各ディビジョンの代表を勝率に関係なく優先する」ことと「強いチームを優先する」という、二つの矛盾した原則を同時に適用しようとしていることにある。 アメリカのメジャースポーツのプレーオフは、各地域の代表が必ず参加できる仕組みになっている。 ある地域がどれほど弱くても、「死んだ地域」にしないためだろう。 NBA事務局はこれについて、「ディビジョンタイトルという目標を無くすことはしない」と言っている。 これはこれで一つの考え方だ。 僕が計算したところでは、正直全然自信はないが、NBAの1ディビジョン5チーム全部が勝率9位以下になる可能性は0.3%。 勝率では8位以内ではないのに、ディビジョントップであることによりプレーオフに出る可能性は、ほとんど無い。 従ってたいていの場合、プレーオフ下位シードを争うチームにとっての目標は勝率8位であって、ディビジョンタイトルは関係がない。 さらに、ファンにとってはどうか。 例えばロケッツのファンが、今季はうちのチームはプレーオフは厳しいからマヴスを応援しとくか、という気持ちになるだろうか。 まずそういう事はない、と僕は思う。 となれば、どうせテレビで見るのだから、強いチーム同士の闘いが見たいのではなかろうか。 というわけで僕はあまりディビジョン覇者を優遇する必要はないかと思う。 ……が、長々書いてきたけれども、こうすべきだ、といった明確な考えは正直なところ僕には特にない。 もともとは、アメリカの各地域のファンの心情を考慮して作られた制度だと思う。 いまプレーオフ制度についてアメリカのNBAファンがどう思っているか、太平洋の向こう側のことを考えてもどうせ正確には分からない。 今思うのは、制度を変える時にはあらゆる場合を想定すべきだ、ということ。 簡単な計算により予想できるものについてはなおさらである。
by SAKICHI_I
| 2006-02-21 17:43
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