閃光一閃

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6回裏2アウト1・3塁。右打席の緒方が振り抜いた打球は弾丸となり、楽天レフトの遥か頭上を越えて大歓声のなか、スタンドに突き刺さった。
実況をしていたテレビ新広島の矢野アナウンサー、普段は比較的落ち着いた実況をするこのアナウンサーはその瞬間仕事を忘れ、
「うおおおお」
と、ただ、叫んだ。

6月23日、広島市民球場でおこなわれた広島×楽天4回戦。4回の表の時点で6-1と楽天の快勝ペース。
6-2で迎えた6回裏。長年カープを支えてきた選手のひとりである前田が2アウトからしぶといヒットを打ち、走者を一人返す。3点差。なおランナー2人。
前田に続いて代打で現れたのは、もう一人の功労者。緒方孝市、40歳。球場全体が異様な雰囲気に包まれる。
そして緒方が放った同点3ランホームランを迎えたのは、もちろん大歓声と、感極まったファン達の悲鳴だった。

矢野アナはリプレイが流れた時、「何度見ても鳥肌が立つ」と言った。解説の達川さんは、「これでカープが勝つ」と言った。
8回に栗原がタイムリーを打ち、7-6でカープは勝った。
試合終了後、達川さんが言う。「もしカープが今季3位以内に入ることがあれば、この試合がポイントだった、と後で皆が言うことになるだろう」。僕もそう思う。

近年カープは、苦しい闘いをしいられている。将来、楽になることはない。多くの選手が、人気や高額報酬、あるいは優勝争いを求めて他のチームにFA移籍する。
僕は彼らを責めようとは思わない。ただ、彼らのカープの選手としての姿を記憶から抹消する。それだけだ。
しかしその一方、FA権と他チームで高額報酬を得る能力を持ちながら、カープにとどまる選手たちがいる。
そういう選手が一人でもいるかぎり、僕がカープの応援をやめることはない。

2008年、6月の蒸し暑い夜。
このチームのファンでよかった、と改めて思う。
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by SAKICHI_I | 2008-06-25 01:44 | その他 | Comments(0)


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