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ダニー・エインジ 迷走の果て

b0054053_1515415.jpg白河の清きに魚の住みかねて 元の濁りの田沼恋しき

ボストン・セルティックスが、トレードでアントワン・ウォーカーを獲得した。
一年半ほど前、ウォーカーがBOSから放出された時のことを少しでも知っていれば、このトレードには驚愕せざるをえない。
ある意味、ウェバーのPHI移籍よりもあり得ない。

2003年、セルティックスのGM職に就任したダニー・エインジが最初におこなった大きな動きが、ウォーカーの放出だった。
交換相手がラフレンツ、ウェルシュ(当時DAL)だったのは少々ウォーカーも安く見られたか、とは言われたが、当時はエインジに対する非難の声は少なかった。
ウォーカーは一貫して、チームに貢献もするがゲームを破壊もするやっかいな存在だった。
その放出は、BOSファンにとって年来の懸案だった。

ウォーカーは激怒した。
新聞紙上で公然とエインジを非難した。
自分がトレードされたのは完全にエインジの個人的感情によるもの、すなわち自分が嫌いだからトレードしたと。
コーチもチームメイトも、自分を必要としていた。
あのような選手達(ラフレンツ等)と交換されたのは侮辱だ……と、エインジを罵倒し続けたのだった。

03年のトレードがBOSにとって成功だったかどうかはともかく、ウォーカーの放出自体は悪い選択肢ではなかったと思う。
問題はその後だ。
エインジは、前年から残っているのはピアースしかいなくなるぐらい、ひっきりなしに選手を取り替えたが、成功と言われたものはほとんど無い。
何よりそれは、チームの勝敗に表れている。
セルツはエインジの就任以来、弱くなり続けている。

だからといって再びウォーカーか( ^m^)プププ

いや確かに、少なくとも今と比べれば、ピアース&ウォーカー時代の方が強いんすよ。
一時はファイナル候補とも言われたし。
今よりいいと言うよりは、ラリー・バードの引退以来低迷を続けているBOSにとって、あの時期が一番期待がもてた時だ。
しかしそれは、単にずっと弱いからあの時期が輝いて見えるだけでね。
そんな憧れるようなチーム構成だったわけじゃないんすよ。

冒頭に書いた短歌の意味はそれ。
確か歴史の教科書にも載っていたように思う。
老中、田沼意次のわいろ政治が批判されて他の老中に代わったら、今度は厳しすぎて住みにくい世の中になった。
これならまだ田沼の方がマシだと言われた。
要するに、もっとダメなものは、ダメなものが良く見えてしまう
そういう発想では結局、根本的な向上というものは無い。

まあ今回のトレードがエインジの本意だったかどうかは分からない。
ピアースに要求されたかもしれないし、オーナーの意向かもしれない。
いろいろなオファーを断られ、受けてくれるのがATLぐらいしか無かったのかもしれない。
しかし間違いないのは、エインジが判を押さなければトレードは成立しないことでね。
(判は押さないだろうが……)
結局エインジがウォーカーを呼び戻した、と見られるのは当然だ。

となると、これまでの2年間の動きが全て失敗だったと、エインジは自分で認めることになるわけですよ。
しかも、1年半前に追放した男に対して。
最悪ですな。
いや~、僕がGMだったらこんな屈辱は耐えられん。
他のGMも耐えられないと思う。
こんな例は聞いたことがない。

いや、エインジさえも本来は不本意だったと思う。
考えられるとすれば、彼は今季結果を出さなければクビになるということだ。
それ意外には考えられん。
それでも、もし僕だったらウォーカーを呼び戻すことはしないがな(笑
その前に辞めますわ。
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by SAKICHI_I | 2005-02-26 15:13 | NBA関連 | Comments(2)

ウェバー移籍:続

さて、ESPNのMarc Stein氏の記事に沿って、クリス・ウェバーの移籍を考えていく。

一般的にはキングスの損と言われている今回のトレードだが、キングスのウェバー放出にも当然理由があった。
周知のことが多いが、以下挙げていくと
●ウェバーの契約が巨額であること(残り3年で6000万ドル)
●ウェバーは昨年脚の手術をしたが、その脚は以前のような完全な状態には戻りそうにないこと
●ストヤコビッチとの確執

だがそれらの理由をもってウェバーの放出を有益だと言えるのは、交換相手が妥当である時のみ。
SACに来た3人のPFをとっかえひっかえ出しても、ウェバーのオフェンシブ・インパクトにはとうてい及ばない。
契約もそれぞれ長いし、安いわけでもない。

誰が見ても、キングスの損であろうと思われる今回のトレード。
不可解なのは、それをおこなったのが現在リーグで最も有能なGMの一人であるジョフ・ペトリーであることだ。
前にも書いたように、筆者のスタイン氏もペトリーの手腕に疑問を持ったことは今まで皆無だったと言う。

この謎を解こうとすると、一つの不気味な答が浮かび上がる。

スタイン氏は他チームの数人の重役に会い、今回のトレードについての意見を聞いた。
彼らも当然、ペトリー氏に対する評価は高い。
彼らが異口同音に言うには

Petrie must know something we don't

ペトリーだけが知っている秘密があるんじゃないかと。
真相は分からないが、そうとでも考えなければ説明がつかないのだろう。
スタイン氏はさらにその秘密の内容として、こういう例を挙げている。

Webber, perhaps, is in worse shape than his numbers suggest.

さすがにこれが真相であって欲しくはない。
キングス、76ers双方とも強くなればいいのだが。
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by SAKICHI_I | 2005-02-26 11:37 | NBA関連 | Comments(0)

ぶつぶつ2/25

ウェバーのトレード考察の続報を書くつもりだったが、今日は眠いため断念。
しかしまー、すごい事になったものよ。
リーグの勢力図に影響を与える可能性が高いのはウェバー移籍、ネタ的な興味深さとしてはアントワン・ウォーカーのBOS復帰がとどめをさす。
エインジさん。あんたはどのツラ下げて“Welcome back, 'Toine”と言うんすか?(笑)
すごいよダニー!
いやー、どうせやるならこういう事をやってくれないとね。
チームをちまちまいじってだんだんとドアマットへと落ちていくぐらいなら、面白いことをやってくれ。
ありがとう。
書くネタができた(笑
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by SAKICHI_I | 2005-02-26 02:19 | NBAの話題を含む雑記 | Comments(0)

One of the most surprising swaps ever for me

■キングス→76ers
  クリス・ウェバー、M・バーンズ、M・ブラッドリー
■76ers→キングス
  B・スキナー、K・トーマス、C、ウィリアムソン


(; ゚ ロ゚) ( ; ロ゚)゚ ( ; ロ)゚ ゚

芸能人の悪口ばかり書いている場合ではない。
先日、噂にいちいち振り回されるよりは、いきなりトレードの事実を知って驚く方がマシ、と書いた。
しかしここまで驚かされるとは思わなかった。
確かに、ウェバー放出の話はシーズン前からあった。
ウェバーがチームメイトを公然と非難するなどのいざこざがあったからだ。
しかし実際にトレードがおこなわれてみると、何だろうかねこの驚きは。
ウェバーはキングスを率いる上で必ずしもいつも周囲の期待に応えたわけではないが、それでもキングスといえばウェバーであり、ウェバーのキングスだったなあ……と実感。
僕はウェバーという選手がそれほど好きなわけではないので、特に悲しくはない。
むしろダグ・クリスティ移籍の時の方が悲しかった。
しかし、衝撃度は数倍大きい。

それにしてもキングスにとってこの交換は…………!?
地元サクラメントでもウェバーへの不満はつのっていたらしい。
だが、アイドル性がありプレイのエンターテイメント性も兼ね備えた、リーグ有数のスター。
彼を出すとすれば、キングスの方が戦力的に得をする交換をして初めて等価交換と言えると思うんですわ。
あるいは、今年契約が切れる選手を獲得してチーム運営の自由度を増す。
今回のトレード、どっちでもない……。
わからん。

ESPNのマーク・スタインさんが早速、このトレードを考察する記事を出した。
驚くことにスタインさんも、キングス側の意図は分からん、と書いている。
曰く 「ジョフ・ペトリー(キングスGM)のチーム運営を見てきて、不可解だと思ったのはこれが初めて」だそうだ。
スタイン氏がこういう風にお手上げ状態になるのを、見た記憶がない。
どんなに不可解に思える出来事に対しても、説得力のある回答を与えてくれる人だ。
この記事の内容について、明日やや詳しく書くかもしれない。
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by SAKICHI_I | 2005-02-25 02:44 | NBA関連 | Comments(9)

雑記 2/23深夜

今日、役所から通知が届いたんすが……
僕が一昨年の税金を払いすぎてたから、去年の分に回したんだそうだ。

おいおい大丈夫か…………!?
判明するまでいつまでかかってんのよ。
税金なんて完全にデジタル化されてんじゃないのか。
払った直後に重複納付なんて分かりそうなもんだが。

しかも間抜けなことに、重複分を去年の支払い分に回したはいいが、去年ちゃんと払ってたらこれまた重複納付になる、と書いてある。
その時は改めて払い戻されるそうだ。

(#゚Д゚)最初からきっちりやらんかい

どーも頼りねえなあ。
露見してないだけで、他にも払い過ぎてんじゃないのか……?
お願いしますよ。

――――――――

日常の何気ない風景を魅力あるものとして伝えること。
これも才能だ。
それを詩人の才能と言うのかもしれない。

No Alternative

たまたま発見したこちらのブログ。
最小限の言葉と、美しい写真。
心地よい。
特に、ブログ開設当初の、日本の各地の描写。

自分で自分のブログを評するのも妙だが、僕とはほぼ対極にあるスタンス。
恐らく彼も、ブログというものの普及により著作の世界に足を踏み出した(あるいはさらに世界を広げた)一人。
そういう人たちの優れた表現を、まったく接点のない僕が見ることができる。
有難い。
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by SAKICHI_I | 2005-02-24 02:15 | 雑記 | Comments(0)

耳障りなもの

毎日憎まれ口を叩くのもどうかと思うので、小文字で

●YUKI

きもいきも過ぎる。
歳とともに、唄い方のロリ度が増している。
恐らくあれを可愛いと思う集団が一部に存在し、それに向けてピンポイント攻撃をしかけているのではなかろうか。
それが本当に目標にのみ命中するのならいいが、街の有線放送やラジオから無差別にミサイルが発射されるものだから、あれを嫌がる人間の耳にまで被害が及ぶ。
さらに嫌なのが、PVやCDジャケットなどでのセクシーアイドル風アピール。
以前は、自分の子供っぽさを逆手にとって冗談でやっているのかと思い笑えたが、ここまで続けられると笑えん。
誰も言わないなら俺がはっきり言ってやろう。
お前、子供っぽいだけじゃねえ。
ブ○○クなんじゃボケ!
(結局はっきり言ってない)
『JOY』のPVで足出すんじゃねーよ!
曲を耳にするたびに悪夢のように目に浮かぶだろうがよ。
嫌いなら聞かなきゃいいと言えばそれまでだが、職場で流れてるラジオでひっきりなしに掛かりやがる。
それにしてもあのJ-WAVEという局も日に何回も何回も流すなよ。
「あの曲は掛けるな」つって逆リクエストしたろうかな。

●Def Tech(デフテック)

デフテックとかいう、得体の知れんバイリンガルらしき兄ちゃん達の“My Way”というラップ&歌。
一聴して思うのは、下手であることもさることながら、とにかくヘナチョコなんだこれが。
弱っちいんだ声が。
でまあ下手な歌手は世の中に掃いて捨てるほどいるからいいとして、この曲でどーしても引っかかるのが次の一節。

♪手をつなげば怖くないから
♪そこまでお前は弱くないから

分かっとるわボケ!
お前に言われたないんじゃ!
勝手に 「弱い」と仮定すんな。
……と僕は思うが、ネットでざっと検索したところ歌詞のこの部分が女性にはけっこう受けがいいらしい。
まあ20もヒットしなかったんで大した数ではないが(笑)。
この曲もJ-WAVEでひっきりなしに掛かりやがる。

●エリック・クラプトン

近年のクラプトンの存在意義とは何なんだろうなあ。
ヒット狙いのポップ路線時代は結局大したヒットも出ず、単にクリーム時代の評価を落とすだけに終わったし。
ベビーフェイスという(クラプトンにとっては)若僧の力を借りてヒット曲を出し、往年のファンのひんしゅくを買うし。
最近出した「原点に戻る」と銘打ったブルース・アルバムでは、過去の名曲を単にコピーするだけで何の創造性も示さないし。
SMAPの曲を書いたら、作曲者がクラプトンである必然性なんぞ全く無いような平凡な曲だし。
結局クラプトンはブルースが 「好き」なだけで、その一片も体内で消化されてはいないのでしょうな。
ギタリスト、ボーカリストとして上手いのは当然。
だが音楽的クリエイティブさの欠如がますます露見するから、創作活動はほどほどにしといた方がよいと思う。


●ブンブンサテライツ

新曲キタ━━━( ^∀^ )━━━!
Primal Screamの“Exterminator”に少し似たフレーズが……
でもカッコ(*゚∀゚)ィィ
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by SAKICHI_I | 2005-02-24 00:50 | その他 | Comments(3)

オールスター、終わる

今年のオールスター本戦はあまり評判が良くないようだ。
僕も面白かったとは思わないが、数日前に書いたようにそもそもあまり期待していないので、特に失望はしなかった。
それでもあえて今年のオールスターにひとこと言うとするなら、

(#゚Д゚)曲芸したいなら練習せんかい

魅せるプレーをやろうとしてノールックパス・バックビハインドパスを連発し、しかもそのうち半分くらいがあらぬ方向へ飛んでいってターンオーバーになるのはいかがなものかと。
アマレとかマリオンとか不器用そうな連中まで無理しやがって。
できない事をやろうとするよりは、普段通りのプレーを精一杯やった方がいい。

いくつか目を見張るプレーもあった。
カーターのダンクは一味違うナァ。
僕が思うに、カーターの場合握力が半端じゃないのではないか。
あれほど腕をブン回しながら、ボールが手のひらに吸い付いたように離れない。

これからNBAのエンターテイメント性を担っていくレブロン・ジェームスは、今年はその能力を存分に発揮するには至らず。
足も風邪も完治していないようだから、仕方ない。

明日からシーズン後半が始まる。
キーポイントの一つは、オールスターの間に怪我で欠場していた選手達がどのくらい回復しているか。
もう一つは、間近に迫ったトレード期限までにトレードがあるかどうか。
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by SAKICHI_I | 2005-02-23 01:37 | NBA関連 | Comments(0)

Phoenix dominates Allstar Saturday

オールスター・サタデーの4つの競技のうち3つをサンズ勢が制した。

●スラムダンク・コンテスト:ジョシュ・スミス(ATL)
●3ptシュートアウト:Q・リチャードソン(PHO)
●スキルチャレンジ:S・ナッシュ(PHO)
●シューティング・スターズ:マリオン(PHO)、ダン・マーリー(元PHO)、ダイアナ・トーラシ(WNBAのPHO)

こちらは、2ちゃんねるに貼ってあったダンコンの動画なんすが(Windows Media Player)
http://www.riceahoy.com/videos/nba2k5dunk.wmv
削除されました
結構おもしろい。

それぞれ盛り上げようという姿勢があっていいんではないでしょうか。
もー少しだけ失敗が少なければいいんだがなあ。
サンズ勢は、敗れたものの存在感を見せつけた。なぜかナッシュが(笑
クリス・アンダーソンは難しい事をしようとしてはイカンよ。
しかしこのダンコンを見ても、あれだけの背と運動能力を持ちながら栗あんがなぜスターターになれないかが分かりますな。
一番の傑作はジョシュ・スミスの2ラウンド。
なぜあの役をマーティンが?
本人が理由を語っていたが、まったく聞き取れず。(残念
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by SAKICHI_I | 2005-02-21 01:43 | NBA関連 | Comments(3)

迷惑なタレント

深夜番組で自らの泥棒経験を告白し、問題になっていたタレントのあびる優。
しかも万引きといった程度のものではなく、倉庫から段ボールごと盗みだし、その商店を倒産に追い込んだというのであるが……

こちらの記事によると
実際にやったのは単なる「万引き」で、それを大規模な窃盗に誇張した
とのこと。

まあ事の真偽は知らんが、もしその大泥棒が事実だったら笑い話ではすまん。
動け! 警察。
そんなに昔の話でもないようだし。
店一軒が倒産に追い込まれたというのだ。
調べればすぐ分かるだろう。

こういう風に、人に迷惑をかけた事を自慢げに語る奴、てほんと嫌いなんだ俺は。
少し前、歌手の元ちとせがTVで言っていた。
マンションに赤いボタンがあるので、何だろうと思っていつも押していた。
そのたびに消防車がサイレンを鳴らして来るので、不思議に思っていたと言う。
言うまでもなく、それは火災報知器だったのだ。
笑いごっちゃねーぞお前。
その間に他の地域で火事が起こったらどうすんだ。

人に知られずひっそり悪事をはたらく奴も当然悪いが、人前で話すような罪の意識が薄い奴が嫌なのは、同じ事を繰り返す可能性が高いからだ。
まあ元ちとせの場合は単なる馬鹿かもしれないが。
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by SAKICHI_I | 2005-02-20 18:05 | その他 | Comments(0)

ジェリー・ゴールドスミスの偉業

僕は不覚にも先日初めて知ったのだが、映画音楽の大家、ジェリー・ゴールドスミス氏が昨年7月亡くなっていた。
享年75歳。

ゴールドスミスがサウンドトラックを担当した主な映画は以下の通り。

猿の惑星、パピヨン、オーメン、カプリコン・1、エイリアン、スター・トレック、ランボー、ポルターガイスト、グレムリン、トータル・リコール、氷の微笑、エアフォース・ワン、LAコンフィデンシャル

これだけ多いと、どれが代表作か簡単には言えない。
上に挙げたのは、ゴールドスミスの担当した映画のほんの一部。
有名な作品から、そんな仕事まで受けなくてもと思うような全く無名のものまで、恐ろしい数の仕事をやってのけている。
その数、約40年間の活動期間において、170本。
このことから、昨年まで数十年という長期間に渡って、ハリウッドは 「困った時のゴールドスミス頼み」状態だったということが推測できる。

ゴールドスミスの音楽は、意外と印象に残らないものが多い。
僕もこれを書くために調べていて、ゴールドスミスが音楽をやったと初めて知った映画も結構あった。
これは、同じく映画音楽の巨匠であるエンニオ・モリコーネやジョン・ウィリアムズとは対照的だ。
彼らの音楽は、曲そのものが有名だ。
ゴールドスミスの音楽は映画の画面と一体となっていて、音楽単体で思い出されることがない。
音楽が自己主張をし、映像を邪魔することがない。
その意味で、作曲家としてはもちろんのこと、「映画音楽家」として最も高い技術を持っていた人だった。
このことは、ゴールドスミスがヒッチコックの 『白い恐怖』を見て映画音楽家を目指したこととも合致する。
人々が口ずさむような曲はモリコーネやウィリアムズの方がはるかに多いかもしれないが、総合芸術としての映画の質を高めるという意味では、ゴールドスミスの方が上ではないかと思う。
(余談だが、モリコーネの 『ニューシネマ・パラダイス』のサウンドトラックは音楽として独立して素晴らし過ぎるため、映画の方はもしかして凡作ではなかったかという疑念をいだかざるをえない)

今思い出すのは、『エイリアン』第一作のオープニング。
漆黒の画面に、五本の白い線が浮かび上がる。
弦楽器の地をはうような音色が徐々に高まると同時に、 A L I E N の五文字が少しずつ画面に形成されてゆく。
映像と音楽があれほどまで一体となって緊張感を高めていくシーンを、他に見たことがない。

今までゴールドスミスに頼り過ぎていたために、彼のような作曲家は二度と現れないかもしれない。
ハリウッドは大きな痛手をこうむった。
稀有の作曲家の冥福を祈る。
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by SAKICHI_I | 2005-02-20 17:19 | その他 | Comments(2)