どうしたんですか、東野さん

と言うことさえすでにすっかり今さらの話なのだが、東野圭吾さんの話。
書く小説が、別人であるかのように面白くなくなった。しかもごく最近だけ、というわけではない。
最新作の2冊はまだ読んでないが、それ以外は全部読んだ。その印象では、2007年出版の作品あたりからだんだんと面白くなくなってきた。
僕はおぼろげながらそれを感じていたが、ファンとしてそれをはっきり認めるのは嫌だった。認めざるをえない、と思ったのは、2011年の「マスカレード・ホテル」を読んだ時だった。たまたま凡作がいくつか続いたのではなく、東野小説は劣化したのだ、と思った。

2009年、「新参者」を本屋で売り出していた時のことを思い出す。宣伝POPに書いてあった。
「東野圭吾は終わったなんて、とんでもない。今度はこう来たか、と思わせる一冊」
僕は「新参者」のことより、東野圭吾は終わったという評価があることに驚いた。驚いたが、信じなかった。しかしそれは、今思えば間違いではなかったのだ。「新参者」を読んだ印象も、それを裏付ける。

最近の東野小説の特徴は、「良い話」であること。とにかく読者を感動させたいという意図がある。作者の本心かどうかは知らないが、どの作品にも人間というものへの究極的な信頼がある。その「良い話」の出来がよければまだいいのだが、あまり泣けない。
読者を感動させられない「良い話」がどういう印象を持たれるかといえば、偽善だ。偽善は死ぬほど嫌いだ。
さらにはそれが、果たして東野圭吾が書くべき小説なのか、ということだ。東野小説は人間の恐ろしさを描き、それが強烈な印象を与えてきた。その毒と牙が、無くなった。

この変化がどうして起きたのか、僕には分からない。人間が丸くなったのかもしれない。あるいは、国民的作家として慕われたいのかもしれない。だとしたら、そのもくろみも失敗している。
今の東野さんは、膨大な数の読者を震撼させ、熱狂させたあの姿をしていない。なまくらになった牙を研ぎ、もう一度あの凶暴な姿になって現れることを、心から願う。
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# by SAKICHI_I | 2013-04-25 12:27 | 雑記 | Comments(0)

円空展

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僧にして、芸術家。江戸時代初期に、主に今の岐阜県にとてつもない数の彫刻を残した。
円空の展覧会を見に、上野の博物館に行ってきた。

円空の彫刻は、一見適当に、ぞんざいに彫られたように見える。ざっくりした、なめらかでない表面。目や眉は一本の切れ目。木を割った時の痕跡はそのまま。彫刻の、「丁寧」というイメージと正反対だ。
円空の場合それが、ことごとく魅力となっているように思える。
そしてそのぞんざいさは、必ずしも錯覚ではない。生涯に作成した彫刻は、12万体と言われている。円空の63年の生涯は、約23000日。1日5体以上作っても間に合わない。当然ながら幼年時代、おそらく少年時代も作成していないだろう。実際に円空は、恐ろしいスピードで作成を続けたのである。

「作製が早いのにすごい」のではない。作製が早いからこそ、最初に生まれた直感的デザインがそのまま形となって表現されたのではないか。そんな気がする。
そして円空の仏像を見て穏やかな気持ちになれるのは、それが円空の、人とこの世界に対するポジティブさを表現しているからではないかと思う。

「夢十夜」で漱石は、木の中に埋まっている物を掘り出してやるのが彫刻家だ、と言った。円空もそういう心境だったかもしれない、と思う。
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# by SAKICHI_I | 2013-03-30 01:53 | その他 | Comments(0)

絶対に見て損はない動画

手ブレが激しいし、どういう機器で撮ったのか知らないが、画質もよくない。だが、途中からそんな事はどうでもよくなるぐらい、すごい。
YouTubeを見てて、たまたま発見した。



これだけ多くの人間が、これだけ複雑な動きを、まるで一つの意志を持っているかのように整然とおこなう姿を、今まで見たことがない。
しかも同時に、僕のような素人が聞くぶんには文句をつけようのないハイレベルな演奏をやりながら、である。

サーカスとか演劇とか音楽ライブとか、すべての演芸を合わせた中でも非常に高い位置にあるパフォーマンスだと思う。

恐ろしいことに、やっているのは高校生である。沖縄の西原高校という学校の生徒らしい。

不思議なのはこの西原高校も--どうやら世界的にもトップレベルらしいが--「マーチングバンド」というジャンルも、日本でほとんど知られていないことだ。動画のパフォーマンスがおこなわれたのは2001年。10年以上前のことである。
もっとメディアでとりあげられていいし、話題になっていい。いや、話題にならなければならない、と言えるだけのことを彼らはやったと思う。
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# by SAKICHI_I | 2013-03-16 02:08 | その他 | Comments(0)

また広告増加?

さっき一瞬、トップ記事の上にデカいバナーが現れたような気がするんだが……
気のせいだったか? 今は見えない。

そりゃま、ただで使わせてもらってることは分かってるけどさー。
そこまで目立つ位置に、大きい広告を出す時は普通料金が発生するんじゃねーの?
exciteブログさん、やってくれるわまったく……
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# by SAKICHI_I | 2013-03-12 11:44 | その他 | Comments(0)

マエケン落選

広島カープの前田健太投手が20日、WBC代表「脱出」選考にもれ、代表の練習と、3月2日から行われるWBCに強制参加させられることが決まった。
見事当選した中日の浅尾投手らはキャンプ地の宮崎から脱出し、所属チームに合流する予定である。
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# by SAKICHI_I | 2013-02-21 00:58 | ただの日記 | Comments(0)

「夜行観覧車」が原因でアクセス急増

この数日初めての方のコメントがいくつかあるので、不思議に思ってこのブログのアクセス分析を見た。驚いた。金曜から、普段のアクセス数の20倍以上になっている。
理由はアクセス解析を見て簡単に分かった。ドラマ「夜行観覧車」は金曜の夜10時から。あのドラマを見た人が検索し、ヒットしたページを見た。そのサイトの一つに、ここが入っていたのだ。

ためしに「夜行観覧車」「ネタバレ」でググってみると、上から7番目であった。これならアクセスが増えるのも道理だ。ふだん検索に引っ掛かりやすいことを意識しているわけではないし、なぜ検索の上位になったのかは分からない。

それにしても、僕はドラマについて書くことが割と多いのだが、なぜ今回に限ってこういうことになったか。もしかするとあのドラマは、非常におもしろいのかもしれない。僕自身は第一回を見られなかったし、陰鬱なドラマであることは間違いなさそうなのであまり見たいとも思っていない。だが今は、ちょっと見たいと思っている。

余談だが、例のステマ騒動以来、商品を誉めるという事がやりづらい。僕のような口の悪い人間でも、何かを誉めたいということが皆無ではない。
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# by SAKICHI_I | 2013-01-20 10:26 | その他 | Comments(2)

ミタを見た

ドラマ『家政婦のミタ』を、ようやく見た。
今まで見たくなかったわけではない。一昨年放送している時に高視聴率が話題になり、一回見てみたが、話の流れがまったく分からず面白いと思えなかった。
昨年末再放送したので、いい機会だと思って最初から全部見た。

ドラマのコンセプトは、おもしろいと思った。
ミタは人の姿をしているが、実態は人ではない。「人が思っている事、したい事を、人間関係や世間体を気にせずそのまま口にしたり、実行する」という考え方・行動様式の象徴である。この考え方・行動様式を人が手にしたらどうなるか。案外、建前でがんじがらめになっているよりは事態は改善するのではないか。壊れた家庭も再度結びつくのではないか--これが、このドラマのコンセプトである。
ミタを「道具」と見てもいい。道具の中でも、使い方を間違えると人に恐ろしい害を与える、刃物であろう。そういう意味では、まさに「馬鹿とハサミは使いよう」のドラマなのだ。
アイディアとしては、興味深い。
(ただし脚本家がそういう意図で書いたのかどうかは、まったく知らない)

ドラマの終盤はミタがだんだんと「道具」ではなくなっていった。ミタがなぜ道具になってしまったかという理由を掘り下げ、それに応じてミタはどんどん人間らしい面を出していった。
実質的に道具、あるいは行動様式の象徴だとしても実際には人として登場しているから、「わけわからんロボットみたいな女だった」では済まされない。こういう展開をたどったのは、仕方のないところである。

以上が分析。さてこのドラマを見た感想はというと、全っ然おもしろくなかった。
いやおもしろくないというより、不愉快だった。ミタ以外のほぼ全キャラが、ずーーーっとギャーギャー叫んでいる。不快。極めて不快。
特に嫌いなキャラは以下の二人。
旦那:筋金入りの偽善者であるにもかかわらず、女に対してはエゴまるだしになって求め続ける
一番小さいガキ:ぶさいく。大人の会話に「○○ってなに?」といちいち口を挟んで話の腰を折る。

このドラマがなぜ高視聴率をとったのか、まったくわからない。
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# by sakichi_i | 2013-01-20 02:00 | その他 | Comments(0)

大河ドラマ「平清盛」の感想

10月の終わりぐらいにチラッと見て、「あれ、ちょっとマシになったか」と思った。それ以来、最後まで多分全回見た。

最終回、遺言のシーンは名場面だった。
時忠への「時忠なくして平家はなかった」は、一時時忠と対立しただけに涙がにじんだし、時子への「そちこそがわしの紫の上ぞ」は何とも言えなかった。

全体的に言えば、大河ドラマの最低視聴率を記録するにふさわしい、つまらんドラマであった。
何と言っても前半の、清盛のキャラへの共感できなさが致命的。「面白うもない世を面白う」という漠然としたスローガンを掲げる男が、周囲の人間に対して常に粗暴で不快。
しかし清盛が爺さんになり、自分の思い描いた世を作れなかった悲哀を表すようになってからは、悪くなかったと思う。松山ケンイチもその悲哀をよく表現した。マツケンの力不足は間違いなくこのドラマの失敗の大きな要因だが、清盛の晩年部分でいくぶんかはマイナス分を取り返したと思う。
スタッフも役者も最低視聴率に腐らず、画面にもその演技にもなげやりさが見られなかったことには、まあ仕事だから当たり前かもしれないが拍手を送りたい。

12月にあるメディアが「清盛」失敗の分析をしていて、そこでは「今視聴者の求めているものと合致しない」「幕末・戦国と違ってなじみがない」という意味のことを言っていた。そういう、誰にも責任がないような言い方はやめた方がいい。マツケンと脚本が悪いのである。
同じ脚本でも、源義朝の玉木宏や、頼朝の岡田なんとか君は輝いた。女優陣は、とんでもない大根が主要な役に何人もいて、これも足を引っ張った。壇れい、松雪泰子、りょうは良かった。
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# by sakichi_i | 2012-12-25 01:48 | 雑記 | Comments(0)

角田美代子が自殺

兵庫県警は、全国民と日本の歴史に対して謝罪しろ。
あの、世界史上でも最も凶悪な犯罪の一つであるあの事件の主犯を、一回も公判の場に立たせることなく死なせるとは。

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# by SAKICHI_I | 2012-12-12 12:56 | その他 | Comments(0)

プレゼント用?

街で通りすがりに見つけた重機。
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ピンク地に、白の水玉。こういうカラーリングの重機を、生まれてこの方見たことがない。
いったい誰に向けてアピールしているのだろうか。女性に「かわいい」と思われてメリットのある商品だとは思えない。通りからちらっと見た限りでは、運転士は女性でなかったようである。
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# by SAKICHI_I | 2012-12-07 14:22 | ただの日記 | Comments(0)