シャキール・オニールが引退する。 すごい選手だった。とにかく、ものすごい選手であった。 バスケットのみならず、僕が知っている限りあらゆるスポーツ選手のなかで、全盛期のシャックのように競技場を支配する選手を見たことがない。 選手としては、マイケル・ジョーダンの方が上だと思う。しかし、オフェンス支配力とそれがチーム全体に与える影響は、少なくとも見た目の強烈さではシャックが上回っていた。 それは僕にとっては非常に、嫌な強烈さだった。 2001年のプレーオフ、僕はNBAで最もすごい巨人:シャックと、最もすごい小人:アイバーソンの対決を見たいと思った。両チームは勝ち上がり、ファイナルで対決した。しかし実際には、シャック対アイバーソンの対決とはならなかった。 シクサーズのディフェンスをシャキール・オニールが粉砕するのを、そう文字通り「粉砕」するのを、ただぼう然と見るしかなかった。 それによって勝ち上がってきたと言えるほど強烈であるはずの、76ersのディフェンス。マッチアップ相手は、屈指のディフェンシブセンターであり、その年守備王タイトルさえとったムトンボだった。 ……打つ手なし。 PHIは1勝したもののその後シャックに対する手だてなく、LALが4連勝して優勝した。それは僕には、絶望的な光景に見えた。 全盛期のシャックを象徴するのは、ローポストから相手ディフェンダーを押し込んでダンクまで持って行くプレイだ。これはもはや、バスケットではない。相撲である。相手センターがいかに高等なディフェンス技術を持っていようが、関係ない。 これを見た時、いや何回も何回も見せられた時、思った。我々の楽しんできたバスケットはこの男に蹂躙される……と。そして実際、そうなった。 だからシャックの全盛期、いや近年急激に衰えるまで、僕はこの選手のアンチだった。今でも別に、好きではない。 しかし僕のように嫌いな人間からしても、この選手がNBAにいてよかった、と思う。 偉大なボスキャラだった。強さと支配力を兼ね備え、これほど悪役として適性を備えた選手はいなかった。 この選手を倒すために小さい選手は走り回り、そして時々倒した。それは魅力的な構図だったと思う。 (もっとも、シャック優勝の合間に優勝したのはもう一人の偉大なビッグマン・ダンカンであることが多かった) まさに不世出。シャックと同じような選手、いや同じような身体構造・運動能力を持った人間さえ、この先地球に現れないのではないか。そんな気さえする。 偉大なるビッグマンの、NBAへの貢献に感謝。
by sakichi_i
| 2011-06-02 17:02
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Comments(4)
はじめまして。 「あなたがバスケットボールで全国大会に出られない理由」 http://basketball-reason.seesaa.net/ 管理人のタケと申します。 今回は相互リンクのお願いに書き込みさせていただきました。 まだまだ至らぬところばかりのサイトですが、たくさんの方に見ていただきたいと思っております。 プレイ解説など、バスケットボールの基礎と応用、メンタル面をカバーしている記事がメインです。 ぜひ当ブログをご覧いただいたうえで、相互リンクをご承諾いただければとても嬉しく思います。 どうかご検討をよろしくお願いいたします。 なお、こちらからは既にリンクさせていただきました。 この書き込みが失礼でしたら削除をお願いいたします。
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sakichi_i at 2011-06-08 22:30
タケさん、初めまして。相互リンク申請と、当ブログのリンクをありがとうございます。
先にお答えしますと、相互リンクさせていただきたいと思います。 以前にもそちらのサイトを見させていただきましたし、今回あらためて拝見しました。誠実な態度で作成されているし、興味深い内容の多いサイトだと思います。 正直なことを言いますと、日ごろ交流のないサイト/ブログ同士がお互いの宣伝のためにリンクをしあうということが、あまり好きではありません。リンクを貼っている以上、ある程度そのリンク先に責任を持つべきだと思うからです。 しかし、さほど盛んとは言えないこのバスケのブログ/サイト分野で、たとえ薄いつながりであっても宣伝しあうことは重要だと思います。 それと、もう何年もなかったリンク申請をこのブログにわざわざして下さったのに、お断りするなどということはあまりにも不遜です。「リンクはよく知り合ってから」などと意地を張ることは非常に馬鹿馬鹿しい状況になっています。 そういうわけで、喜んでリンクさせていただきます。ありがとうございました。
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タケ
at 2011-06-10 11:54
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リンクを受けていただきありがとうございます。
相互リンクについて様々な考えを持つ方がいらっしゃるのは理解していますし、何度かお叱りを受けたこともあります。私としましては、せっかくたくさんの情報や文化を共有できる仕組みがあるのなら、積極的に取り入れていくことが一人ひとりのバスケット生活を充実させていくのではないかと思っています。 何も日本のバスケ文化について使命感があったりするわけではないのですが、一選手だったころの「もっとうまくなりたい」だとか「やり方が分からないから知りたい」といった葛藤を知る身としては、同じような境遇の選手に少しでも役に立つ情報はオープンにして、参考にして欲しいと願うばかりです。 コメント欄で質問を受けたりお礼を言われたり、指導者、選手の方と交流を持つのが大きなモチベーションとなっております。 今回、お願いを受けていただいたことで、少しでも多くの方と繋がれる機会が増えたこと、大変ありがたく思います。どうか今後とも宜しくお願いいたします。
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sakichi_i at 2011-06-11 20:34
リンク申請していただいたのに、なんか嫌な感じですいません(^_^;)
お互い更新を頑張っていきましょう。
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