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映画 『エイリアンvsプレデター』

★ネタバレあり

結構おもしろいよこれは……!
本気で期待したらガッカリするかもしれんが。
キワモノであることを承知の上で、暇つぶしに観るなら悪くない。

この映画が作られると聞いたとき、少々疑問に思う点があった。
見た目と行動がまるっきり野生動物のようなエイリアンと、高度な科学技術で作られたらしき防具と武器で武装しているプレデター。
プレデターは透明になれるし、飛び道具まで持ってる。
この二つが対等に闘うのは不自然だ。

で、この映画の設定はこうだ。
プレデターは、「エイリアン狩り」をおこなうために、(人類にとって)太古の昔に自らエイリアンを地球に持ち込み、飼ってきた。
飼育はすべて機械がおこない、プレデターは常駐しない。
その 「狩り」 をするためだけに、プレデターは100年に一度地球にやってくる。

これは、映画 『プレデター』 を観たことのある者なら、うなずける話だと思う。
プレデターは大量殺戮をするためではなく、自らの武勇を証明するためだけに、強い地球人を選んで 「狩り」 をするのだ。
基本的にプレデター優位の戦いである点も納得できる。
これを説明する場面が出てきた時、わたしゃ満足しました。
それまで下の方をうろついていた目盛りが上昇し、「最低限の満足レベル」を越しました。

あと映像的には、エイリアン、プレデターそれぞれキモいし、グロいし、上出来かと。
ああいうもんだから。

途中からプレデターと主人公が仲間になるっつー奇想天外な展開も、考えようによってはよし。
人間とは全然力の違うバケモン同士の戦いに人間が一枚かむには、あれしかないわな。
で、組むとすればさすがにエイリアンの方はあり得んだろ。

ただ、エイリアンは確かに見た目と行動からすると野生動物としか思えんが、もともと宇宙船を作るくらい高度な文明を持っていたはずなんだがなあ……。
もっとも、食物を採る時は一切料理などせず生身の獲物にいきなり食らいつくばかりだから、少なくとも食文化はまったく発達していないと思われる。

それから最後の最後、ラストシーンもいい。
あの後味の悪さ、こういう映画には不可欠だろ。

映画全体としては、演出力が 『エイリアン1~3』 『プレデター1・2』 とは比べものにならないくらい低いので、さっぱり緊張感が無い。
元ネタ計5作は程度の差こそあれ、それぞれ傑作だったと思うが、 『エイリアンvsプレデター』 はその仲間には入らない。
ただ、あんまりすごいのが出来ても、本家の立場はどうなるんじゃという話だしねえ……。
ま、いいんじゃないすか。

ところで、僕はこの映画の宣伝コピーが好きだった。
“Whichever win, we lose.” (だったと思う)
和訳も好きだった。
「どちらが勝っても、人類に未来はない。」
だいぶ前の映画、『未知との遭遇』 のコピーを思い出した。
“We are not alone.”
「宇宙にいるのは、我々だけではない」
適切な意訳は、直訳よりもずっと正確に文の本意を伝える……ということがたったこれだけの例から分かる。
by SAKICHI_I | 2005-04-30 19:35 | その他 | Comments(4)
Commented at 2005-05-02 08:12 x
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented by SAKICHI_I at 2005-05-02 12:50
>鍵コメさん
僕の場合は期待してなかったのが良かったのかどうか、そこそこ楽しめました。ただ、映画館に行っていたら腹が立ったかもしれません(笑)。レンタルで見ましたので。
「支配」については、常にプレデターが地球にいて抑圧されるよりはまだいいかと(笑
エイリアン1のレベルは無理としても、2ぐらいなら良かったんでしょうけどね。
Commented by ドラ at 2005-05-02 15:12 x
実は私は試写会で見ました(笑)タダなのに偉そうに批判してます。見た当時の感想はこんな↓感じです。今読んでも偉そうです(苦笑)
http://d.hatena.ne.jp/doradora0511/20041210
Commented by SAKICHI_I at 2005-05-02 16:55
試写会というのはいいですねえ。僕は映画館は休日に行っても座れないので、もう何年も行っていません。
ドラさんの感想を読ませていただきました。ぶっちゃけ僕はこの映画を真面目に考えてなかったので、細かい設定の矛盾は気になりませんで(^^;) あと、「エイリアン」は4まであったことをかすかに思い出しました(苦笑)。
余談ですが、二番煎じはつまらないというのが常識ですが、「エイリアン」に関しては成功していますね。ジェームズ・キャメロン、デビッド・フィンチャーという後に有名になった監督の出世作となりました。


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