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Thank you guys for one of the most exciting Finals ever

第4クォーター残り2分57秒、スパーズの4点リード。
教科書のようなダンカンからのアウトレットパスを受けて放たれたジノビリの3ptシュートがリングに吸い込まれた瞬間。
解説をしていたヒュービー・ブラウン氏は一瞬沈黙した後、
HU_U_U_U_GE
とうなった。
この“HUGE”という言葉、どうもぴったり当てはまる日本語が無い。
単なる 「大きい」 ではない。
「ものすごく大きい」 、あるいは一語で表すならヒュービー爺のごとく 「おお~~~きい」 とでも表現するか。

残り6分でSAが6点のリードを奪って以来、3分以上も点差が開かない。
逆に4点差に縮まっていた。
この膠着状態を打開したのがジノビリのシュートだった。

もっともこれで、ピストンズが死んだわけではない。
その後もよく守り、しぶとく点をとり、4点差まで詰めた。
だが、それ以上食い下がることはできなかった。
やはりジノビリの3ptが、“HUGE BASKET”だった。

余談だが、僕は最近試合を副音声で見ることが多い。
これは現地アメリカの放送の実況や解説を聞きたいから、というわけでは全然ない。
正直なところ何を言っているのかほとんど分からない。
今ファイナルをずっと解説していたヒュービー爺なんかは特に、「誰をピックしたら誰が空く」 とか戦術的な小難しい話ばかりしているようなので、九割方の話は分からないのである。
日本人解説者なら話がわかるので、ハハーンと納得してあまり自分で考えなくなる。
できるだけ脳を空にして見たいので、日本語解説をあまり聞かないようにしている。

審判の件。
僕は一つ一つのコールが妥当であるかどうかは分からない。
全部スローで再生し、アップにするわけでもないし。
審判は常に公平であるべきだが、実際にはジャッジにもホームコートアドバンテージがあると思われている。
仮にそうだとしても、レギュラーシーズンでホームコートアドバンテージがとれなかった時点でそれらの事は覚悟すべき。
シード順は運で決まるのではない。
それも実力の一部だ。
※これは今季のピストンズについて言っているのではなく、一般論。

それにしても、いいファイナルだった。
個人的には98年以降で、最高のファイナルだったと思う。
これからもずっと、「05年のファイナル、第○戦のあの場面で……」 と何度も思い出し、語るシリーズの一つになるだろう。

残念だったのは、日本時間の土日に試合がなく、一回も生で見られなかったこと。
そのせいもあり、会社のラジオで何回か結果を知ってしまった。
実は今日も、例によってJ-WAVEのスポーツニュースで突然試合結果を流しやがったのだ。
まあ今日の場合はピストンズが負けたから、結果を知らずに見たらショックが大きかっただろう。

このファイナルの特徴は、APの記事の次の文に象徴的に表されている(最近APの引用ばかり)。
Given the chance, Detroit and San Antonio probably would have played seven more games at this same level of parity and excitement.
仮にファイナルが8戦以降続くとすれば、SA、DET両チームは7戦までと同じようにエキサイティングな試合をもう7試合やりそうだ。
決して大げさに聞こえない。
それぐらい、両チームともが負けず劣らずの執念と気迫を見せた。

BS放送の最後、Cheap Trickの “The Flame” という曲にのせてファイナル名場面集が流れた。
それを見た時、僕はファイナルを単にTVで観戦しただけなのに、何かの形で自分が関わった事であるかのように、一つ一つの場面を見ながらしみじみした気分になった。
僕はロバート・オーリーとブルース・ボウエンが嫌いだし、スパーズは特に好きなチームではない。
しかしスパーズが優勝して、悲しくはない。
やはり僕のスパーズに対する気持ちは、LAレイカーズに対して持つ感情とは少々違うようだ。

そしてそれが、スポーツの良いところだ。
勝っても負けても、いい試合を見せてくれればそのことだけで価値がある。
これが戦争なら、負ければ何も無い。

今季もありがとう、NBA。
極東の一会社員が、選手にもコーチにも伝わりそうにない謝意を表し、04-05シーズンの試合レビューを終了する。
by SAKICHI_I | 2005-06-25 01:53 | Comments(4)
Commented by teshi-hi at 2005-06-25 10:56 x
いいシリーズでしたね。
ベテランや中心選手が力を発揮するゲームがつづきましたが、パーカーやアローヨのような、もうひとつ活躍できなかった選手たちのこれからの活躍に期待したいです。
判定はかなり公平だったと思います。
ファウルをとる審判をスパーズの方がうまく利用した攻めをしたというだけのことで。
Commented by 佐吉(SAKICHI_I) at 2005-06-25 20:45 x
>teshi-hiさん
アロヨは大きな戦力になると思っていましたが、あまり活躍しませんでした。プレーオフが進むに従い出番が少なくなり、最後はPHOでのバルボサのような存在になりました(笑)。
両方ともディフェンスが売り物のチームだけに、このシリーズではジャッジは重要でした。1・2戦のDETは審判相手に闘っていましたし。僕自身は審判が勝敗を分けると考えるとおもしろくないので、あまり重視しないことにしています。
Commented by and1vc106 at 2005-07-02 16:09
初めまして!京都在住の若干NBA歴10数年の若造ですが、熱いですね!勝手ながらリンクさせていただきました。迷惑ならご連絡ください。ちょくちょく遊びに来させてもらいます〜。
Commented by SAKICHI_I at 2005-07-02 21:03
and1vc106さん、初めまして(^O^)ノ
リンクしていただいてありがとうございます。
ブログを拝見しましら、ジョーダンのファンとのことですね。もしジョーダンの野球からのNBA復帰から見始めたとしたら、僕とまったく同じです。
動画、写真など非常にきれいに作成されていますね。今後も拝見させていただきます。


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