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ミリシッチ、DETにドラフト指名権を残して去る

2003年のドラフト前に、NBAスカウト達がこの選手を即戦力としてではなく、その将来性の方を高く評価したのは間違いない。
今気になるのはその将来の開花が、どの程度の未来だと想定したのか、ということ。
現行の制度ではドラフト1巡目で獲得した選手を、たとえ選手が嫌がっても4シーズンチームに残留させることができる。
(ミリシッチの入団当時はCBA改定前なので、5シーズン)
従って4or5シーズンのうちにチームに貢献できる選手にならなければ、ドラフトで指名する意味がない。
僕が思うにスターになる選手というのは、たとえ若手の時にチームの層が厚く出番が少なくても、その短い出場時間の中で光るものを見せるものだ。
ミリシッチは現在プロ入り3年目。
いまだ開花のきざしは無い。
ということは、NBA史上のみならずプロスポーツにおいて特に珍しいことではないけれども、ミリシッチの評価についてはスカウト達のほとんどが誤った、としか考えられない。

記憶がさだかではないが、確かあのドラフトの1年ぐらい前にはすでに、ヨーロッパにものすごいスター候補がいる、ということは情報として流れていた。
同年のドラフトで、1年どころか数年前からドラ1が確定していた怪物がいたから、ミリシッチ1位の可能性は無かった。
逆に言えばそういう選手がいなかったら、ミリシッチ1位も充分にあり得る話であった。
ドラフト直前には、カーメロ・アンソニーとミリシッチのどちらが2位だろうと議論になった。
メロの場合、直前のNCAAトーナメントで大いに評価を高めた。
ドラフト上位が早くから確定していたのは、ミリシッチの方だった。

ミリシッチ指名について、ピストンズGMのジョー・デュマースを非難する声はあまり聞かない。
僕も非難はできないと思う。
・ミリシッチを指名せず、彼が他チームで大活躍した時
・ミリシッチを指名したが、まったく活躍しなかった時(現状)
比べれば、前者の方が圧倒的に後悔が大きいだろうと思う。

NBAスカウトに一時期評価されたために数奇な運命をたどることになったこの青年。
まだ若干二十歳である。
少なくともその若さだけを考えれば、これから彼が大いに伸びてドラ2にふさわしいスターになったとしても、それほど不思議ではない。
何しろ現在のNBA選手の多くがまだ大学に在籍していた年齢である。
僕は個人的には、特に期待もしていないし見切りをつけてもいない。
しかしこれからどうなるのか、興味深いことは間違いない。
クワミ・ブラウンがどうあがいても二流の域を出ないことがはっきりしつつある今、ピエロ筆頭の座にあるのはダーコ・ミリシッチである。
by SAKICHI_I | 2006-02-17 03:23 | Comments(0)


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