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Keep your head high, Bron

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●Detroit 79, Cleveland 61

終わった。
このシリーズでピストンズはずっと、レブロンを抑えられなかった。
従ってレブロンの得点よりも、レブロン以外のキャブスのメンバーがどれだけ点をとれるか、そしてキャブスがピストンズをどれだけ低得点に抑えられるか、が勝負を分けていた。
ところが今日の試合では後半、ピストンズはレブロンを抑え切った。
他のメンバーの得点も、当然のように抑えた。
最後の最後になってピストンズは、ずっと苦しめられてきたレブロンに対する答を出したのである。
二年連続ファイナリストにふさわしい、地力を見せつけた勝利だった。
同じ負けるなら、こういうすっきりした形の方がいい。

僕はシリーズが始まる前、どうせ勝てないだろうが、レブロンとチームが来季以降成長するために1試合でも多く闘ってほしい、と思っていた。
今考えてみれば、これはキャブスに対し非常に失礼なことだった。
彼らはピストンズに勝ち地区ファイナルに進む可能性を、一瞬たりとも疑ってはいなかった。

レブロン・ジェームスは優勝するに値する選手であることが明らかになった。
第6戦まで、正確に言えば第7戦前半までのレブロンは、文字通り圧巻だった。
トップ・オブ・ザ・キー(3ptラインの頂点)から1枚スクリーンで最初のディフェンダーをかわし、瞬時にダッシュしてフリースローライン近辺で2・3人目の敵が追いつくことを許さず、ジャンプした後は敵のCまたはPFにごつごつと当たりながらもその体格のおかげでバランスを崩さずレイアップを決める。
ああいう風に、同じ事をやると分かっても止められない状態というのは、やや衰える前のシャック以外に見たことがない。
ジョーダンの場合はオフェンスのバリエーションが多彩なので、「同じ事をやる」という印象とは異なる。
ピストンズの選手が第5・6戦で見せたあの、呆然とした表情。
今まで彼らが勝ってきたみなもとである、ディフェンスに対する自信が揺らいだのではないか。
最終戦でその自信を取り戻す試合をしたのは、さすがと言う他ない。

今後レブロンが何回優勝するかは、彼自身の活躍よりも、むしろ彼の所属するチームの他のメンバーがどれだけ充実しているか、にかかるだろう。
こればかりは、レブロンの力が及ばない。
GMがどれだけ優れているか。オーナーがよい選手をとるために金を出す気があるか。
レブロンがまだ若いことからすれば、ドラフトは非常に重要である。
レブロンからすれば、運が左右する。

来季から、この選手がリーグの軸になっていく過程が見られるだろう。
その目撃者になれることは、幸運だった。
by SAKICHI_I | 2006-05-22 20:53 | Comments(6)
Commented by teshi-hi at 2006-05-22 22:37 x
プレーオフでのレブロンはすごかったですね、本当に。
試合後の会見の落ち着いた話しぶりも年齢から考えると信じられませんね。
クリーブランドに彼の相棒となる存在が出て欲しいと思いますが、それが誰なのか、というとなかなか思い浮かびません。
ところで、第6戦の後、「スポーツセンター」に出たアリーナスが「クリーブランドが勝つよ、と言っていたのが妙に印象的に残りました。
Commented by SAKICHI_I at 2006-05-23 03:12
>teshi-hiさん
さすがに生涯最初のプレーオフでは少しは萎縮するのかと思いましたが、まったく逆でした。
僕もレブロンにとってのベストパートナーとはどんな選手か、考えることがありますが、どうもよく分かりません。シューターだと思っていましたが、去年入ったデイモン・ジョーンズとマーシャルはあまりパッとしませんでした。リバウンダーか、PGか……。あるいは同じようなオールラウンダーかもしれません。
Commented by taketo_shinkai at 2006-05-23 12:57
お久しぶりです。新海です。
プレイオフが始まって以来、ずっとすばらしい試合が続いていますね。
キャブスは残念でしたが、これもレブロンの歴史をつづる時、一つのトピックスになるのだろうなと考えると、ドラマがありますね。

個人的にキャブス対ピストンズより注目していたマブス対スパーズの結果が出ました。
佐吉さんがまだ見てないかもなので結果は言いませんが、こちらもすばらしい試合でしたよ。(文字観戦ですが)
Commented by 佐吉 at 2006-05-24 01:46 x
新海さん、ご無沙汰しております(^O^)ノ
ブログを拝見しましたが、アニメーション作家でもあったんですね。うそ日記ともども、今後も楽しみにしております。
さてレブロンですが、後年「あのレブロンも最初はセミ止まりで」と言われるようになるのか…。僕はそうなるような気がします。
DAL-SAの件、お察しの通り、まだ試合を見ていませんでした。さっき見終わりましたが、すごかったです。気をつかっていただきありがとうございます。僕の方は試合の結果をここに書く時にほとんど気をつかっていないというのに(^_^;)
Commented by pakunoda at 2006-05-24 13:03 x
こんにちわ。
レブロン批判ではないですが、極めておかしな判定がいっぱいあったと思います。
ネームバリューの恩恵を少なからず受けていると思っています。

デトロイトは不利な判定をされているのにもかかわらず最後はきっちりと抑えましたね。

あとこのおかしな順位の決め方をなおしてほしいですね。
ダラスとスパーズがセミでぶつかるのは理解できないですね。
Commented by SAKICHI_I at 2006-05-24 17:10
pakunodaさん、初めまして。
個人的には、「審判が意図的にどちらか一方に有利な笛を吹くことはない」と思うことにしています。理由は以下の通りです。

(1)僕は素人なので、ジャッジの正しい/間違っているの判別はできない(苦笑)
(2)例えばビデオで再生し見る人が見れば不正があったかどうかは分かるので、例えば不正により人気チームを勝たせたとしても、リーグとそのチームの権威が傷つき逆効果となる。

ただしホームコートディシジョンはあると思ってます。審判が自分でも迷った時、無意識のうちに観衆の喜ぶ方にジャッジしてしまうことはあると思います。
それと一つ一つのコールについて見れば、間違いはけっこうあります。しかしそれは試合全体、シリーズ全体では両チームの有利/不利は結局同じぐらいの数になると思います。

審判がどのようなジャッジをおこなったとしても勝敗には関与しないと思って見る方が楽しいですよ。プレーを見ることに集中できますしね。

シード順については、まったく同意です。リーグはすでに修正に向けて動いているようです。


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