レブロンの行動が一部で批判されている

――という記事の見出しがYahoo Americaに出ていた。
てっきり対DETシリーズ1・2戦の最後のプレイのことかと思ったが、そうではなかった。
意外にも政治、それも国際政治にかかわる問題である。

キャブスのイラ・ニューブルは現在、スーダン政府を糾弾する署名運動のようなものをやっているらしい。
アフリカのスーダン共和国は歴史的に民族紛争の激しい国だが、数年前からそれが激化し、アラブ系民族が主導する政府が非アラブ系民族を虐殺している。
ニューブルの署名運動はそのスーダン政府を支援している中国政府を批判するもの。
「北京オリンピックを開催する資格なし」とニューブルはうたう。

この署名運動に、キャブスのほとんどの選手が協力した。
協力しなかったのは、わずかに二人――デイモン・ジョーンズとレブロン・ジェームス。
このことが知られ、政治系サイトなどでレブロンが批判されている、というわけである。

ある民族による他民族の虐殺、いわゆる「民族浄化」は、“悪”であることが国際的に認められている。
従ってこれに反対することは、必ずしも政治的立場や思想・信条を明確にすることを要しない。
つまり、割と賛同しやすいものだ。
にもかかわらずレブロンがそうしなかったことの理由を、記事は以下のように推測している。

レブロンはNIKEの看板スターの一人。
NIKEは中国で大々的に事業を展開している。
中国政府と悪い関係におちいるわけにはいかない。
ちなみにDJは中国製の靴と服を宣伝する予定があるらしい。

もう一つ。
レブロンは、アメリカ代表のキャプテン(の一人)として北京へ行く可能性が高い。
中国政府批判は、物議をかもす。

いずれも筋の通った推測である。
当たらずとも遠からず、であろう。
以下、僕の思ったこと。

まず、現役のスポーツ選手がおおやけに政治活動をしていることに驚く。
日本ではほとんどあり得ない。
前に「民族浄化に反対するにあたり政治的立場を明らかにする必要はない」と書いたが、それでもニューブルの運動は、はっきりと中国政府と対立するものである。
またニューブルの問題意識の強さにも驚く。
スーダンの虐殺について詳しく知っている人が日本にどれだけいるだろう……?
僕は今日初めて知った。

この件に関し、レブロンを非難しようとも擁護しようとも思わん。
署名をしたらしたで勇気ある行動だったとは思うが……まあつらい立場でしょ。
有名選手であればあるほど、「あのレブロンが中国批判かよ」みたいな騒ぎになる可能性も高いし。
僕としては誰が正しい、誰が間違っているかという問題よりも、ニューブルが署名運動をし、さまざまな利害関係によりレブロンがそれを断った、という事のてんまつそのものが興味深かった。
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by SAKICHI_I | 2007-05-30 01:14 | NBA関連 | Comments(0)


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