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とんだ茶番

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トレード要求の件である。
LAレイカーズのコービー・ブライアントさんは自らのウェブサイトにおいて、かねてから表明していた「チームを出たい」という意志を再度強調した。
現地17日、昨日のことだ。
現時点で、公的な場における発言としてはこれが最新のものだろう。

この件に関して僕が思うのはまず、今まで「レイカーズのコービー」を応援してきた人々に対しての、まったく無惨な仕打ちであると。
彼の思惑どおり移籍となれば、残されたファンは悲しいし、腹が立つだろう。
トレード交渉がうまくいかず残留となったら、来季ファン達は観客席で、いったいどのような表情でレイカーズとコービーを応援すればよいのか。
想像しがたい。
僕はLALファンにいやおうなしになるような状況がなく、つまりロサンゼルスに生まれ育つなどの状況がなくて幸運だったと、今は思う。

LALの他の選手達に対する仕打ちは、それをも上回る。
「無能」の烙印を押されたのである。

コービーはサイトでの発言の中で言っている。
「レイカーズを愛している。このチームを離れることなど、考えたくもない。しかしバスケットに関してどうしても譲れないことは、『勝つ』ということだ」
これでは、いくら口で「愛している」と言っても意味がない。
「勝てないチームのことなんぞ知ったこっちゃない」と言っているのと同じだ。
本心ではそう思っていても、公共の場で発言すべきことではない。

そしてこれは、今までコービーがとってきた行動からしても矛盾する。
2004年の夏。
コービーとシャキール・オニールの確執が連日メディアを騒がせていた。
それぞれが、もう共にはプレーをしたくない、という段階にまできていた。
コービーはその時、FAという選手にとっての最大の武器を有していた。
気に入らなければ、他のチームと契約する。
チームはコービーを選んだ。シャックはMIAにトレードされた。
そして、フィル・ジャクソンも同様にコービーと激しく対立していた。
チームはコービーを選んだ。ジャクソンは退団した。
(のちにジャクソンと和解したことは、彼としては珍しく賢明であった)

ことの真相についてうんぬんするのはやめておこう。
だいぶ前のことだ。当時から憶測で書かれた記事も多かった。
だが少なくとも結果としては、コービーがシャックとフィルを追い出した。

言うまでもない。
優勝の可能性を高める存在として、この二人、NBA史上においてもトップクラスに位置する。

2004年の夏。
コービーは間違いなく「勝利よりも自分」を優先した。
だから今、彼が「勝利が何よりも大事」と言ったところで、どれほどの説得力があろうか?
例えば彼がシカゴにトレードされた場合。
タイラス・トーマスが急成長し、25点12リバウンドの選手になり、コービーを上回る選手になったとして。
コービーがおとなしく「二番手の選手」におさまる保証がどこにあるか。
最も大事な時に「勝利よりも自分」を優先しないという保証がどこにあるか。

僕は今、自信をもって言える。
この選手は、「マイケル・ジョーダン」にはならない。
チームメイトの信頼を得られない。


さて話は変わり、実際にコービーの移籍が実現するかどうか。
僕はぜひ東のチームに来てほしいと思っている。
シカゴと話がまとまればそれもいいだろう。
コービーとレブロン、ウェイドの対決をプレーオフで見てみたいものだ。
そして彼らの踏み台になってくれればなお良い(笑)。

移籍が実現する可能性は、けっこう高いらしい。
以下、2ちゃんねるで見知らぬ人が語っていた話。裏はとってない。

現在レイカーズの実権は、オーナーのジェリー・バスから彼の息子達に移っている。
彼らはコービーが好きではない。
経営陣も、おおやけに批判されたことから、当然反コービー。

従って今や、LAL内部にはコービーのトレードを阻害するものは無い。
あるとすれば、他チームがLALの満足する条件を出せるかどうか。
それともう一つ、コービー自身が移籍先に満足するかどうか。彼はトレード拒否権を持っている。
しかし僕は、よほどの事がない限りトレードが成立すると思う。
ここまでチームと隔絶した選手がそのチームでプレイすることなど、とても考えられない。
by SAKICHI_I | 2007-06-18 12:05 | Comments(6)
Commented by teshi-hi at 2007-06-18 12:23 x
私はこういう部分を含めてコービーが好きだったりします。
自分の中のデーモンを抑えきれずに格闘しているスポーツマンというのはタイソンを始め、実に興味深い。
コービーの場合、ずいぶん不器用な生き方をしているし、マスコミや一部のファンから嫌われているから、私は報道も5割減で聞いていますけど。
それに今シーズンのコービーはすごくチーム優先でよくやったなあ、と個人的にはかなり評価しています。

ジョーダン・ファンの方は特にアンチ・コービー率が高い気がします。
正直言うと私は、あんまりジョーダンが好きではないんですよねえ。
NBAを見始めた頃はとにかくシカゴが負けることを願って試合を見てました。
そこからレジー・ミラー、ストックトンなんていう選手を好きになっていったんですが。
話がだいぶ逸れましたが、結局レイカーズに残るんじゃないでしょうかね、意外と。
Commented by SAKICHI_I at 2007-06-18 15:07
>teshi-hiさん
そうですか……。僕も非常に興味深いんですが、正直なところあまり好きにはなれません(^^;)
僕はこの話を知ってコービーが(ますます)嫌いになった、というよりはあきれました。アホな事をやっとるなあ……と。LAのファンがもっとも気の毒であるように思います。ただ彼らの反応と本心を僕はよく知りませんので、まったく大きなお世話かもしれません。
彼の言動からすると、もしかすると悪意があるというよりは、単に頭があまり良くないだけかもしれません。ちょっと言葉が悪すぎますが(^^;)
Commented by はじめまして at 2007-06-18 16:35 x
コービーは性格が悪いというより、子供なんですよね。
普通の常識を持った大人なら、こんな言動はまずしないでしょう。
同じ高卒でもレブロンは退屈なほどの優等生なのに、全く面白いもんです。
個人的には、コービーの一バスケット選手としての実力はNBA史上でも屈指の位置にあると思うので、彼がその才能を存分に発揮できる場がくればいいと思います。エンターティメントとしてのNBAにとっても。
ジョーダン信者としては、現役で最もジョーダンに近い選手である彼がシカゴでプレイする姿を見てみたいですね。ホームでもブーイングがありそうですけど。
Commented by SAKICHI_I at 2007-06-18 17:54
>はじめましてさん
どうもこんにちわ( ^∀^)ノ
元?ジョーダンファンということで僕と同じですね。
>コービーは性格が悪いというより、子供
どうやらそうらしいですねえ。「子供」のままではリーダーになれないし、チームを優勝へ導くことはできそうにありません。
>彼がその才能を存分に発揮できる場
僕が思いますに今のレイカーズは、コービーにとって結構いい条件があるような気がします。得点の面では、彼の邪魔をするような選手がいませんので。実際81点とったり、連続50点とったりしました。
あれ以上点をとれて、しかも勝つチーム……ちょっと条件が厳しすぎますね。コービー以外が、リーグトップクラスのディフェンダーみたいなチームかもしれません。
Commented by しんかい at 2007-06-19 13:37 x
僕はコービー結構好きなんですよね。
体つきやハンドリング、シュートタッチなどが、見ててこれだけ美しい選手はジョーダン以来かもなあ、と。
あとはその勝ちきれない感じが応援したくなります。

と言うか僕はいまだにジョーダンをひきずっているNBAファンなので、コービにはジョーダンを体験した世代として、レブロン、ウェイドには負けて欲しくないな、とも実は思っています。 笑
Commented by SAKICHI_I at 2007-06-19 17:49
>しんかいさん
今さらフォローしても仕方ないですが、LALが強豪ではない今、特にコービーが憎いわけではないんですよね。「虫が好かない」程度とでも言いますか(^^;)
それと、選手としては非常にすごいと思っています。例の事件の時はNBAから消えるのではないかと、本気で心配しました。
プレイスタイルやポジションなど考え合わせますと、恐らくNBA史上で最もジョーダンに近づいたのはコービーということになるのではないかと思います。本文に書いたとおり、ジョーダンに匹敵する存在にはならないと思っていますが


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