読んだもの、観た(観ている)もの

小説『しゃべれどもしゃべれども』/作:佐藤多佳子
それぞれの困難に直面した不器用な人々がなぜか集まり、不器用に現実に立ち向かっていく。ラブストーリーでもある。ほのぼのとし、しみじみとした好感の持てる小説。残念なことの一つはまず、僕がこういう緊張感のまったくないタイプの小説が好きではないこと、もう一つは主人公が落語家だけに全編にちりばめられた冗談が、何一つおもしろくないことだ。

小説『しゃばけ』/作:畠中恵
人間と妖怪が協力して、悪い方の妖怪と闘う話。舞台は江戸。漫画ではよくある……と思ったら、作者は元漫画家だそうだ。こういうものはとにかく、いかに妖怪を悪さ怖さを含めて魅力的に描くかが勝負だと思う。その点漫画と比べて絵のない小説は、難しい。この『しゃばけ』という小説もその点で失敗している。「日本ファンタジーノベル大賞」とかいう賞の優秀賞受賞作らしいが、どこが優秀なのかさっぱり分からない。

ドラマ『モンスターペアレント』(フジテレビ)
どんなに米倉涼子にそっけなくされても、喜んで後ろをついていく青年。パジャマ姿の米倉の部屋に入れてもらってオドオドしつつ、手の込んだ料理を作って「ハイ!」とさわやかに出したりする。あんな都合のいい男を創造するのは絶対女だと思ったら、やっぱり脚本家は女だった。

映画『インディ・ジョーンズ/クリスタル・スカルの王国』
場面場面で視点を合わせるべきポイントにカメラの焦点が合っていく。冗長な、必要ないシーンは一切ない。絶妙のテンポで進んでいく、このスピルバーグの作った画面が見られるだけで嬉しいのである。
全体の印象としては、以前から思っていたことだが、CG時代の映画づくりにおけるスピルバーグ独自の位置はまだ見つけられてないな、と。CGが悪いというわけではないが、他の映画と比べて際だっているわけではない。スピルバーグ+CG。CGでさえもスピルバーグしかできない画面を作って初めて、スピルバーグがCGを飲み込んだと言えるであろう。
ハリソン・フォードは年相応の設定で、それなのに前3作を上回る大立ち回りをして数々の危機を脱していく。旧作を観てきた人々にとって嬉しいというメリットより、あまりにも爺さんであるというデメリットの方が大きかったと思う。
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by sakichi_i | 2008-07-16 18:04 | 雑記 | Comments(0)


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